精霊界とは

五大魔素に由来する精霊たちが生活する世界。
彼らは自分たちの国を「ソラルカ」と呼んでいる。

精霊界に、科学的な文明は無い。
みな、木や石、大きなきのこ、などの自然物を利用した家に住んでおり、必要以上に伐採はしない。種族によっては地下に穴を掘って住んでいたり、水の中に住んでいたりもする。
精霊界の中心には、樹齢5000年ほどの大きな木があり、その木に触ると過去にあったことなど知りたいことを見せてくれる。
また、お手紙を預けると相手に届けてくれる。

人間界と精霊界が繋がる扉は至る所にある。
けれど、普通の人間にそれは知覚できない。魔力が強い者は何かを感じるかもしれないが、『そこにある』と知らなければ見つけられない。
崩れた築地の隙間だったり、森の木のうろであったり、海の中の岩の亀裂だったり。人間が通れるような入口は限られている。

過去、精霊界と人間界に境界はなかった。しかし、古くからの伝統を重んじ、世界を維持しようとする精霊たちに対し、進化し文明を発展させようとする人間との間で隔たりが出来、現在の精霊王の先祖が世界を分けて住むことにした。
しかし、境界が無かったときの住処や人間を愛し、好んで人間界に住む精霊もいる。

精霊について

【生物的特徴】
魔素を取り込んで生きている。
純血の精霊には食事の必要は無い。
人間との混血は食事からもエネルギーをとる必要があるが、基本的には菜食主義であり、動物の生命は取らない。

一般的な純血の精霊の寿命は150〜200年程度。人間の倍くらい。外見年齢は20代〜30代で止まる。
人間との混血は100〜150年程度と少し短いが、人間よりは長生きで、外見年齢の年の取り方はゆっくりになる。

四大精霊や王族には1000年以上生きている者もいるらしいが、そういう精霊は年齢を数えるのをやめているらしいので、はっきりとしたことはわからないことが多い。

精霊界での身長は人間と変わらない。
ただし、人間界と精霊界では魔素の種類が異なるので、一般的な精霊は人間界に行くと体の大きさが5分の1~6分の1になる。
四大精霊・王族・混血は、人間界に行っても大きさは変わらない。


【能力】
地上では「魔素」というものが研究されている。
魔素は、この世界の中に存在する魔力の種になるもの。

火・水・風・土・木

の五種類があるため、五大魔素と呼ばれる。
これらは、この世界に浮遊、あるいは蓄えられているものと考えられている。人間はこの魔素を研究して魔法に利用することがある。
精霊たちは、その魔素を取り入れて生き、人間よりも強力な魔法を使用することができる。ただし、ほとんどの精霊は自らの属性についての魔法しか扱うことが出来ない。
例えば、火の精霊ならば火の力、水の精霊ならば水の力といったところ。
異なる属性の精霊同士が結婚し、子孫を残すことも可能だが、子供に二つの属性が遺伝することは、殆ど無い。両親どちらかの属性を受け継ぐことになる。

人間との混血精霊は、持って生まれる属性は精霊の親の属性であるが、人間の血も引くため、人間がそうしているように自然界にある魔素を利用して他属性の魔法を使用することもできる。また、混血でも人間の血が濃く出ている場合、属性を持たないことがある。

《相性》
火→水と土に弱く、風と木に強い
水→木と風に弱く、火と土に強い
風→土と火に弱く、木と水に強い
土→木と水に弱く、火と風に強い
木→火と風に弱く、土と水に強い


《精霊の格》
別格 神霊
1 王族→ドリアード
2 四大精霊
 火→イフリート
 水→ウンディーネ
 風→シルフ
 土→ノーム
3 その他精霊

※神霊は、時間や感情、記憶など、目に見えないものを司るとされるが、精霊界でも伝説の存在であり、王族の中の限られた者しか会ったことが無い。
※その他一般精霊であっても、四大精霊から特別に力を分け与えられると格が上がり、同等の力を持てるようになる。ただし、国からの許可が必要であり、そのようなケースは滅多にない。

精霊使いについて

精霊界の精霊は、一人前と認められると、特別な人間と契約して人間界で修業することになる。
期間は最低3年。その間精霊は精霊界に帰ってはいけない。
精霊使いも3年間は共に修業するので、互いに協力して成長するのが理想。
精霊と契約する人間は「精霊使い」と呼ばれている。

精霊使いは通常の魔法使いとは違い、魔素を使用するのではなく、精霊へ上手く伝える術に長けている。

人間界の魔素は純度が低く、精霊界のそれよりも上手く取り込みにくいので、人間界では魔力も不安定になる時がある。
精霊使いは、その魔素を自らの中でろ過し、精霊に伝えることが出来る魔法使いなのだ。
また、空間を繋げる魔法を取得し、精霊界と人間界を一時的に繋ぐゲートを作り、精霊を呼び出す場合もある。それが出来ない精霊使いの場合は、ずっと精霊たちと共に生活することになる。

日常生活を便利にするために精霊と契約する魔法使いもいれば、騎士団の一員として戦で精霊に協力してもらう者もいる。

基本的にマッチング制であり、精霊側からNGも出せる。
しかし、一度契約したら簡単に契約解除出来ない。
一度だけ、精霊側から強制的に契約解除することが出来るが、それは人間との関わりを完全に断つ作用が働くので、二度と人間界に行けなくなる。

一人の人間につき、各魔素に関係が深い精霊1人ずつと契約できるため、最大5人と契約できる。
しかし、見習い期間はメインの精霊を決めて2人で研鑽を積み、慣れてきたら2人目以降と契約することになる。
契約した精霊とは寝食を共にしても良いし、精霊使いの魔法技術によっては通い制度も可能。
職場婚もあるらしい。

精霊の徒弟制度

半人前の精霊が歴史や力の使い方、人間のことなどを学ぶ。
幼少期は両親や近所の物知りな人に聞くのが一般的だが、16歳以上になると、ソラルカ公認の師匠について学ぶことになる。
義務ではないが、師匠に独立(=卒業)を認められると、師匠の伝手で精霊使いと直接契約を結べるメリットがある。
また、卒業の証(師匠ごとに違う)が貰え、精霊界の中でもハクがつく。


【年齢目安】
16歳〜30歳→師匠について、本格的な勉強と訓練をする。
10年いると見限られ、破門されるのが慣例。破門された場合、別の師匠が許可したら弟子入り先を変えて、もう一度チャレンジしても良い。
イメージとしては、大学のゼミのようなもの。

*特別学舎→一度人間界に修行に出たものが、帰ってきて学問を修める場所。大学院のようなもの。ここで国に公認の研究者になると弟子がつきやすい。ほとんどが四大精霊と王族。

【師匠】
師匠である精霊は、基本的に四大精霊のいずれかから選ぶことになっている。

師匠がついてからは平均5年で一人前の精霊として人間界に行くものが多い。
才能があれば、1年で独立の許可が下りることもある。(1年は最低条件)


【Q&A】
Q弟子入りせずに精霊界にとどまっている精霊もいるの?
Aいる。ただし、そういう精霊はアウトロー、またはニートのような感じ。一般的ではない。

Q卒業せずに人間界に行く精霊もいるの?
Aいる。元々人間界に住んでいる精霊もいるので、行きたい人は行けば良いという方針。弟子入りしなくてもいいし、卒業しなくてもいい。

Qわざわざ弟子入りするのはなぜ?
A正しい知識や訓練を経て人間界に行くことで、人間との対等な関係を築くことができるだろうという王族の方針。
実際、ずっと人間界に住んでいる精霊は冷遇、差別されることもあるので、なんの知識もなく人間界に行くと平和な精霊界とのギャップに苦しむことも多いかもしれない。
(サリーナ王国滅亡後は、差別されることも減った)

きちんと卒業できた生徒はエリートとして優遇される。
遅く卒業することにペナルティは無いが、早く卒業すると師匠から特別な証が貰え、四大精霊に力を分け与えられる権利が得られる。

四大精霊+ドリアードの特徴


※身体的特徴は魔法で隠匿することは可能

 
・ドリアード(木)
→全属性の中で最も寿命が長く、自然、知識があるものが多い。
王族は岩を加工して作られた城に住む。その他ドリアードは森を好む。
高位のドリアードは植物と意思疎通することが出来る。通常のドリアードも植物の感情は理解できる。
身体の一部が植物。その場所や種類は一人一人異なる。

 
・イフリート(火)
全属性の中で最も魔法の威力が高い。
住む場所は、水場を嫌う。炎を食べると力が上がる。
髪が炎で出来ている。
火の加護(火そのもの、熱、ポテンシャルアップ、生命力に関係するもの)を物体に付与することが出来、人間との相性はよい。

 
・ウンディーネ(水)
全属性の中で最もタフ。
身体は水で出来ていて、切られても撃たれてもダメージはない。
基本的に水の中で生活する。一日一度は水浴びをしないと弱る。

 
・シルフ(風)
全属性の中で最も速い。
普段は気の向くまま色んなところに住むが、性質上長期間一所に定住することは少ない。
風に紛れて、人の目が追えない速度で移動することができる(実質ワープ)
身体は軽く、どのサイズでも木の葉程度の重さ。

 
・ノーム(土)
全属性の中で最も防御力が高い。
普段は土の中に住んでいる。
周辺の大地を自由に動かす能力があり、土の壁や穴を作ることはもちろん、一定範囲内で地震を起こすことも出来る。
鉱脈を読む能力もあり、かつて最も人間に酷使された種族。
身体的特徴は無いが、小柄な者が多い。

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